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※以下は、2007年に制作した記事です。

日本エコシステムはチームマイナス6%の一員です

第2回 海にのみこまれる!? 気温の上昇と海面上昇

第1回で発電の過程でCO2を排出してしまい、電気を使うことが地球温暖化に繋がって行く話をしましたが、このまま地球温暖化が進んだ場合、いったいどれくらい気温が上がってしまうのでしょうか?

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)によると、2100年までに地球の平均地上気温が1.4〜5.8℃上昇すると発表されています。

なぁ〜んだ、5℃くらい上がっても、平気なんじゃない?

いえいえ。この上昇は決してわずかなものではありません。

なんと「少なくとも過去1万年(!)の間にも観測されたことがない程の大きさである可能性がかなり高い(気象庁HPより)」そうです。
下のグラフを見てもここ数年で急な上昇が既に始まっていて、今後さらに急激な上昇が予想されているのがうかがえます。

グラフ
出典:IPCC地球温暖化第三次レポート

温暖化が進むと南極や北極、シベリアの永久凍土が溶け出す他、海水が膨張して海面が上昇するといわれています。
南太平洋に浮かぶツバルは人口約11,000人、9つの島からなりますが、広さは26km2(品川区と同じくらい)、標高の平均がわずか1〜2mしかなく、最も高いところでも4〜5mという国です。
2006年2月、ツバルはこれまでにない3mを越す異常潮位に見舞われました。いたるところが海水に浸かり、生活の井戸も畑も家も海水に浸かりました。
(詳しいレポートは「NGO TUVALU OVERVIEW」のサイト「2006年2月のキングタイドレポート」をご覧ください)

これは他人事ではありません! 地球の平均海面水位は、SRESシナリオ※1のすべての予測幅で1990年から2100年までに0.09〜0.88m上昇すると予測されています。
まだ、ピンとこない数字でしょうか。
身近な日本に置き換えて言うと、海面が1m上昇すると日本の砂浜の8〜9割がなくなるといわれています。
さらに川沿いや海に近い標高の低い地域は水没の恐れが出てきます。また1mまで行かなくても僅かな上昇で生物の生態系が崩れるともいわれています。

標高が低いというだけではなく、赤道に近ければ近いほど地球の遠心力が高くなるということもあり、南国の島々はまっ先に水没のターゲットとなってしまいます。
みなさんの中にも、南太平洋の島々を旅行されて、青い海と白い砂浜、心優しい島の人々に心癒された経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな楽園のような場所が今、一斉に無くなろうとしているのです。

※1:
将来の気候を予測するためには、今後人間活動からどのくらいの温室効果ガスが排出されるかを見通す必要があります。その見通しを“排出シナリオ”と呼びます。これまで用いられていたIPCCの排出シナリオ(IS92)は1985年を基準年としていたため、旧ソ連の崩壊や東南アジア諸国の急速な経済発展などが生じた1990年以降の現実に合わなくなってきていました。そのため、世界の6つの研究機関が参加して新しいシナリオを作成し、2000年3月にIPCC排出シナリオに関する特別報告書(Special Report on Emission Scenario)として公表しました。この新しいシナリオは、特別報告書の頭文字をとってSRESシナリオと呼ばれています。
独立行政法人環境再生保全機構(http://www.erca.go.jp/)より

参考リンク
  • 全国地球温暖化防止活動推進センター
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